花粉症とはなにか?自分の身体ではなにが起こっているの?花粉症になったらどうしたらいいの?など、

  • 花粉症になったばかりのあなた
  • 花粉症対策をあらためて考えたいあなた
  • 花粉症になりたくないあなた

のための、花粉症についての基礎知識のページです。

花粉症とは何か?押さえておきたい花粉症の基礎知識

花粉症は、スギなどの植物の花粉によって起こるアレルギー症状のことです。

アレルギー性鼻炎のうち、ダニやハウスダストなど一年中アレルギーの原因がある通年性アレルギー性鼻炎に対し、植物の花粉が飛ぶ時期に関連するので、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれます。

花粉症になると、花粉が飛んでいる時期に、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状が現れます。

日本人の3割近くが花粉症

花粉症の人全体の数を把握することは難しいのですが、2008年に行われた花粉症についての疫学調査によると、花粉症の有病率は全国平均で26.5%となっていました 1) 。
※有病率…調査母数における、実際に花粉症の症状があらわれている人(有症者)の割合

1998年と2008年の花粉症有病率比較
馬場廣太郎ほか:鼻アレルギーの全国疫学調査2008(1998年との比較)-耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として-.Prog Med. 2008;28:2001-2012より作図

平成27年国勢調査で人口は1億2711万人とされています。この有症率をそのまま単純に当てはめると、国内のスギ花粉症人口は

 127,110,000 人 × 0.265 =33,684,150 人

となり、3000万人を越える方が花粉症で苦しんでいる計算です。

日本の国民病とも言われており、厚生労働省のホームページにも花粉症特集のページがある 2) のも納得ですね。

およそ10年前の調査ですから、おそらく近年ではさらに多くの人が症状に悩まされていると考えられます。
(なお、花粉を含めたアレルギー性鼻炎の疫学調査は非常に難しいため、現在多くの文献・医師が使う診療ガイドラインで引用されている最新の調査が、この2008年の調査になります。)

病院で花粉症だと診断されても、生命の心配をする方はまずいないでしょう。

しかし、花粉が飛んでいる時期ずっと症状に悩まされますし、多くの方が一生のお付き合いになるため、とてもツライです。

花粉症そのものをしっかりと理解し、対策・予防の手段としてどんなものがあるのかを知り、自分に合ったものを選択していきましょう。

フォーチュンの「花粉症サポート情報」では、そのためのさまざまな情報をお届けしていきます。

花粉症の症状:くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ

花粉症の主な症状として挙げられるのは、くしゃみ・鼻水・鼻づまりで、三大症状とも呼ばれます 3) 。

さらに、目のかゆみ、なみだ、充血などの目の症状も伴うことが多いです。

花粉症の三大症状

そのほかにも、のどのかゆみ・下痢・味覚障害などの粘膜・内臓の調子に関連した症状や、皮膚のかゆみ(肌荒れ)、頭痛、微熱、イライラなどを感じることもあります。

花粉症チェックシート

花粉症の症状は、風邪にも似ているため区別がつきにくいです。

チェックシートをもとに、花粉症かどうかを調べてみましょう。
(あくまで簡易的なものですので、正確な診断を受けるには、必ず医療機関を受診してください。)

⇒花粉症チェックシート 大人ver/こどもver(作成中)

 

花粉症かも?と思ったら病院へ

風邪以外にも、花粉症の症状によく似た症状として、化学物質過敏症などがあります。

※化学物質過敏症とは、防虫剤や芳香剤、合成界面活性剤といった微量の薬物や化学物質に反応し、非アレルギー性の過敏状態の発現により、精神・身体症状を示すとされるもの。

そのため、あなたが苦しんでいる症状を治療するにあたって、まず「そもそも本当に花粉症なのか」をアレルギーの検査で確認しなければいけません。

アレルギーかどうかを調べるための検査をすることで、あなたを苦しめている原因の物質(スギ、ヒノキ、ハウスダスト・・・・・)と、症状の重さが判明します3)

※血液検査、皮膚反応を見る検査、鼻の粘膜に原因抗原をつける検査などがあります。

なお、アレルギーの検査は、耳鼻科(もしくは耳鼻咽喉科)、内科、眼科、皮膚科などの診療科で受けることができますが、受診する病院・クリニックで実施しているかどうか念のため事前に電話などで確認してください。

原因と症状の重さがわかったら、あなたに合わせた治療方針を決めることができます。

花粉症は何科を受診したらいいの?

アレルギー科、耳鼻科(もしくは耳鼻咽喉科)、内科、皮膚科、眼科などで診てもらえます。

ただ、

  • もともとアトピーや喘息など他の疾患を抱えていて、既に定期的に見てもらっている人
  • 緑内障の人

などは、花粉症でよく処方される薬と、ご自身の疾患に関連性がある場合がありますので、いま診てもらっているお医者さんにそのまま相談したほうが良いでしょう。

また、日本人の26.5%は花粉症ですので、お医者さんのうち4人に1人は花粉症ということになります。

診てもらったお医者さんが、『実は自分も花粉症』ということになると、自分の苦しみに共感して、お医者さん自身の経験も交えて診てもらえるかもしれませんね。

 

子供も花粉症になる?

2008年に行われた花粉症についての疫学調査では大人だけでなく子供(乳幼児)にも花粉症はあることが明らかになっています1)

スギ花粉症 年代別有症率
馬場廣太郎ほか:鼻アレルギーの全国疫学調査2008(1998年との比較)-耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として-.Prog Med. 2008;28:2001-2012.より作図



花粉症の時期はいつからいつまで?

花粉症の原因となる花粉の種類のうち、もっとも発症者が多い花粉の種類はスギ花粉です。
スギ以外によく症状があらわれる花粉として、ヒノキ、ハンノキ、イネ科、ブタクサ、ヨモギなどの植物が挙げられます。

スギ花粉の飛散時期は地域によってやや差がありますが、下記の花粉カレンダー 4) を見ると日本全体では2月下旬~5月上旬まで飛散が確認できることがわかりますね。

また、秋にも少しですが飛散していることもわかります。

<スギ花粉の飛散時期>

スギ花粉カレンダー
アレルギー診療ガイドライン作成委員会:「鼻アレルギー診療ガイドライン-通年性鼻炎と花粉症-改訂第8版」P.23、株式会社ライフ・サイエンス,2016より一部抜粋・作図

植物ごとに花粉の飛散時期が異なるため、自分がどの花粉に一番反応するのかをまず知り、その花粉が飛ぶ時期に、特に対策が必要です。

興味がある方は、「スギ、ブタクサ、ヒノキ・・・花粉症でつらい季節はいつまで?」の記事も見てみてください。

日本には花粉症の人が少ない地域もある

実は花粉症は、日本の中でも地域差があるのはご存知でしょうか?

2008年に行われた花粉症についての疫学調査では、都道府県ごとの有病率も調査しており、花粉症有病率が高い都道府県、低い都道府県が明らかになっています 1) 

<花粉症有病率が高い都道府県TOP5

都道府県 スギ花粉症
有病率(%)
人口(人) 推定患者数(人) 推定患者
存在比(%)
1 山梨県 44.5% 863,075 384,068 1.1%
2 高知県 41.2% 764,456 314,956 0.9%
3 栃木県 39.6% 2,007,683 795,042 2.4%
4 埼玉県 39.6% 7,194,556 2,849,044 8.4%
5 静岡県 39.3% 3,765,007 1,479,648 4.4%

馬場廣太郎ほか:鼻アレルギーの全国疫学調査2008(1998年との比較)-耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として-.Prog Med. 2008;28:2001-2012.一部抜粋・追加・作図

・有病率…調査対象の有症者全体における、都道府県ごとの有症者の割合
・推定患者数…有病率から算出した、実際の人口における花粉症有症者数
・推定患者数存在比…日本の推定患者数合計における、該当都道府県の推定患者数の割合

 

<花粉症有病率が低い都道府県TOP5>

都道府県 スギ花粉症
有病率(%)
人口(人) 推定患者数(人) 推定患者
存在比(%)
1 北海道 2.2% 5,381,733 118,398 0.4%
2 沖縄県 6.0% 1,433,566 86,014 0.3%
3 宮崎県 8.2% 1,104,069 90,534 0.3%
4 岩手県 12.1% 1,279,594 154,831 0.5%
5 鹿児島県 12.1% 1,648,177 199,429 0.6%

馬場廣太郎ほか:鼻アレルギーの全国疫学調査2008(1998年との比較)-耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として-.Prog Med. 2008;28:2001-2012.一部抜粋・追加・作図

・有病率…調査対象の有症者全体における、都道府県ごとの有症者の割合
・推定患者数…有病率から算出した、実際の人口における花粉症有症者数
・推定患者数存在比…日本の推定患者数合計における、該当都道府県の推定患者数の割合

なぜ地域別の違いが出るのか気になる方は、「花粉症の地域差~北海道・沖縄は花粉症の人が少ない?~」ページも参考にしてみてください。

 

花粉症のメカニズム:体の中で何が起きているの?

スギ花粉の場合、花粉症の元となる「抗原」と呼ばれる物質は、スギの木から風に乗って飛んでくる間は皮膜に覆われた状態です。

さまざまな原因により、その皮膜が破れ、抗原が飛び散り、私たちの体に入ることで花粉症の反応が起こっているのです。

では、花粉(抗原)が体の中に入ってきたとき、体の中でいったい何が起こっているのでしょうか?

この仕組みを理解すると、病院やクリニックなどでもらったり(処方されたり)する薬が、いったいどんな働きをしているのか理解しやすくなります。

花粉症の症状が起きるメカニズム

  1. 花粉(抗原)が体内に入ってくると、体が花粉(抗原)を「侵入者=敵」と認識し、体がIgE抗体を作ります。
  2. 生成されたIgE抗体が、肥満細胞(マスト細胞)と結合します。
  3. 肥満細胞(マスト細胞)が、再び体内に入ってきた花粉(抗原)に対して「出ていけ」と攻撃(化学伝達物質を放出)します。
  4. この化学伝達物質が周囲の組織を刺激し、くしゃみ、鼻水、鼻汁、目のかゆみ、涙などが発生します。

この、化学伝達物質がヒスタミンやロイコトリエンなどと呼ばれるものです。

花粉症のときにお医者さんにもらう飲み薬などで、「抗ヒスタミン」というキーワードを聞いたことはないでしょうか?

「ヒスタミン」に対抗する(抑える)薬なので、「抗ヒスタミン」と言うわけですね。

そもそも私たちはなぜ花粉症になるのか?花粉症になる人とならない人の差は、いったい何なのか?が気になる人は、「なぜ花粉症になるの?花粉症の原因とメカニズム」(作成中)のページで解説しているので見てみてください。

 



あなたが選べる花粉症対策・治療

「花粉症対策」というと、おそらく多くの方が「薬を使う(飲む、つける)」を思いつく方が多いのではないでしょうか?

実は、花粉症の対策・治療にはいくつかの種類があります。

  • 日本の診療ガイドラインなどに記載がある対策・治療3)5)
  • 海外(アメリカ)の診療ガイドラインに記載がある対策・治療6)7)
  • その他調査データ8)などで見えてきた、病院等での治療以外に花粉症の方が試みている栄養面からの対策

など、どんな種類があるかを、下記にまとめました。

<さまざまな花粉症の対策・治療>

病院・クリニック、特定の
医療関連施設を介すること
自分で
日常生活でできること
花粉を避ける  - ・花粉情報に注意する
・外出時にマスク・メガネ(ゴーグル)をする
・鼻にワセリンを塗る
・洗濯物を外に干さない
・花粉を家の中に入れない
・家の中の花粉を掃除する
…など。
体の花粉への反応を抑える ・特異的免疫療法(体を花粉に慣れさせる)
・手術(鼻の粘膜を焼く)
・鍼
・漢方薬
・特定の食品などによる食事面のケア
・サプリメント
・機能性食品
…など
花粉への反応による症状を緩和する 薬を使う(飲む、つける)
ハーブ(アロマ)

鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:「アレルギー性鼻炎ガイド」株式会社ライフ・サイエンス,改定第6版,2009,23p.、大久保公裕:「的確な花粉症の治療のために」第2版,厚生労働科学研究 公益財団法人日本アレルギー協会,2015,20p.、NHS:「Hay fever」NHS webサイト. 、Seidman MD, Gurgel RK, Lin SY, et al.:「Clinical practice guideline: allergic rhinitis」Otolaringol Head Neck Surg 2015, 152(1S).を参考に作図

上記はあくまでも、現状行われている治療に加えて、ある程度認知されている対策・治療法の種類について記載をしたものです。

そのため、医科学的検証が行われていないもの、あるいは検証が行われたうえで、まだ検討の余地があるとされているものもあります。あくまで参考としてご覧ください。

 

対策・治療については、まずはお医者さんに相談

すでに花粉症の症状でツラい思いをしているのであれば、薬を服用するのが一番手軽で効果が得られるように思えます。

しかし、一言に「薬」といっても色々な種類がありますし、自分で薬局やドラッグストアに行ったときに何を買ったらいいかわからない、という人も多いと思います。

そのため、原因がわからずに闇雲に薬を飲むよりは、上述の「花粉症かも?と思ったら病院へ」でも説明した通り、まず病院・クリニックへ行って花粉症かどうかを調べてもらいましょう。

起こり得る副作用や、期待できる効果についても色々な種類があるため、自分に合った薬を見つける事も大事です。

また、最近では薬以外の治療の相談もできる病院・クリニックが増えてきています。

あなたの症状によって、どんな治療を選択するかはお医者さんの判断になりますが、質問してみるのも良いでしょう。

現在の多くの病院・クリニックでは下記のうちのどれの治療を選択することになります。

  • 薬を使う(飲む、点鼻、点眼)
  • 免疫療法
  • 鼻が酷い人には鼻の手術

 

⇒ 病院・クリニックで行う花粉症の治療(作成中)

⇒ 根本的な体質改善が期待できる「特異的免疫療法」

 

一度飲む薬がわかったら薬局・ドラッグストアでも購入ができるものもある

以前はお医者さんが処方する薬(処方薬)は、一般の薬局やドラッグストアで買うことは出来ず、医師の処方箋が必要でした。

ところが近年、多くの処方薬(お医者さんで処方によりもらえる薬)が、一般の薬局・ドラッグストアなどで処方箋なしで買えるようになりました。

このような薬を「スイッチOTC薬」と言います。

セルフメディケーション推進などの観点から、医薬品として開発された薬を、一般薬として広く国民が購入できるようにしよう、というものです。平成29年(2017年)からは「セルフメディケーション税制」も始まり、税金の控除を受けられるメリットも出てきました。

  • 仕事で忙しい方や近くに病院が無い方
  • 医師から自分に合う薬を処方して貰えた方

などは、薬局・ドラッグストアで薬剤師さんに相談して薬を買うこともできるかもしれません。

ただ、医師が処方する薬と薬局・ドラッグストアで買える薬は成分や効能が同じでも名前が違っていることが多くあります。
これについても薬剤師さんに相談しましょう。

お医者さんで出してもらうもの(処方薬)、薬局・ドラックストアに自分で買いに行くもの(市販薬・OTC薬)については、下記で詳しくご説明します。

⇒ 花粉症対策で使われる薬の種類(作成中)

 

もっとも大切なのは日常生活での花粉接触を避けること

また、「花粉を避ける」という点も日常生活で注意できることなのですが、意外と知らないものや、忘れがちな点もあります。

日常生活でできること、実はけっこうあります。
ぜひ一度自分の生活を振り返ってみてください。

花粉症の人が生活で気を付けるべき5つのポイントとNG行為

 

「食」も日常生活の1つ

特定の食品などによる食事面のケアやサプリメント、機能性表示食品は、インターネット上でもさまざまな情報が出てくると思います。

近年TVコマーシャルなどでも、サプリメントや機能性表示食品は見かけることがありますね。

それぐらい、多くの方が食事など栄養摂取の面からの体質改善に興味があるということでしょう。

どんなものがあるか詳しく知りたい方は、下記も見てみてください。

花粉症対策のための食生活って?(作成中)

このように、花粉症の対策・治療はさまざまな種類のものがあります。

また、今は十分な効果が認められないと言われているものでも、引き続き研究は進んでいます。
これから出てくる対策・治療法にも期待したいですね。

<参考文献>

  1. 馬場廣太郎.鼻アレルギーの全国疫学調査2008 (1998 年との比較) 耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として.Progress in Medicine. 2008, 28, 8.
  2. 厚生労働省.“花粉特集”.厚生労働省ホームページ,http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kafun/index.html,(参照2017-10-1).
  3. 鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会.鼻アレルギー診療ガイドライン -通年性鼻炎と花粉症-2016年版,改訂第8版,株式会社ライフ・サイエンス,2015,143p.
  4. 環境省.花粉症環境保健マニュアル.2014年1月改訂版,2014,p.7,http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/manual/full.pdf,(参照 2017-10-24).
  5. 大久保公裕.“花粉症のセルフケア”.的確な花粉症の治療のために.第2版,厚生労働科学研究 公益財団法人日本アレルギー協会,2015,P.13-14,http://www.jaanet.org/pdf_files/allergy_nose03.pdf,(参照 2017-10-20).
  6. “Hay fever”. NHS. https://beta.nhs.uk/conditions/hay-fever/?WT.mc_id=organic_split , (accessed 2017-10-24).
  7. Seidman MD, Gurgel RK, Lin SY, et al. Clinical practice guideline: allergic rhinitis. Otolaringol Head Neck Surg 2015, 152(1S), S1-S43, http://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/0194599814561600, (accessed 2017-10-24).
  8. 岡本美考ほか. 厚生労働科学研究補助金事業,免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業「代替医療の実態と有効性の科学的評価」平成19~21年度報告書.2010, p3-11.