フォーチュンのAI花粉予報では、花粉粒子の拡散専用に最適化したシミュレーターを使用しています。

もともとシミュレーションによって大気汚染物質の拡散を予測する手法は、従来より環境アセスメントなどで一般的に利用されていましたが、フォーチュンでは花粉粒子の拡散専用のシミュレーターを独自に開発いたしました。

スギの植生分布、スギ雄花の着花量調査、気象条件、スギの開花時期、花粉発生量など複数のモデルから初期条件を算出し、風、地形等による花粉の移動をシミュレーションした予測値を生成します。モデルとしては以下のようなものがあります。

初期条件算出モデル例

例として、下記のようなモデルを初期条件の算出に利用しています。

1.開花モデル

スギ・ヒノキの生態的な特性をモデル化し、雄花の熟成状況及び開花時期の予測を行います。

まず計算対象領域を東西2km、南北2kmの格子に分割し、格子毎にスギ・ヒノキ植生状況を求め、さらに気温の状況により、スギ・ヒノキ雄花の休眠・熟成状況を求めます。

2.放出モデル

開花モデル計算結果に気象情報等からの情報によって、各格子におけるスギ・ヒノキ花粉の放出量を求めます。

3.力学モデル

気象庁が生成するGPV(数値予報モデル)をベースとして、風向、風速、気温、湿度などを水平方向2km格子で算出し、拡散方程式に入力します。

4.移流拡散モデル

各格子から放出されるスギ・ヒノキ花粉の飛散状況を拡散方程式により算出します。
一般的な拡散方程式に対して重力落下、発生項、地上面からの巻き上がりを考慮します。

また、地表面付近では乾性沈降を考慮して数値解を求めます。

フォーチュンの花粉予報の特徴は「AIテクノロジーの活用」

スギやヒノキは「生き物」であり、気象変動など外部からの刺激に対して「機械のように」正確に対応し、定義された方程式どおりの挙動を示すわけではありません。

また、拡散計算のベースとなる大気の運動方程式は非線形偏微分方程式で表現され、初期値の僅かな変動に対しても計算結果は予測不可能な変動を示します。

これらによって、花粉飛散予測結果には不確定性が含まれ、それが計算誤差やズレとなって認識されます。

一方、長期間にわたってシミュレーションを繰り返し、実況値との比較を行うと、計算値と実況値の際には複雑ではあっても、ある種の関係が存在する事が示されます。

この関係は様々な要因で複雑に変動し、従来の手法で補正する事は困難でした。

そこで、フォーチュンの花粉予報はAIテクノロジーによって様々なパターンをAIエンジン(AIシステム)に学習させることで、シミュレーション結果の補正を行います。
これによって、従来にも増して正確な予測が可能な「AI花粉予報」となります。

従来の花粉予報と違うのは予測の「精度」

フォーチュンの「超高精細花粉飛散予測シミュレーション」は2km格子で

  • スギ・ヒノキ植生分布を表現
  • 地形データを表現
  • スギ生態モデルによって着花量や開花時期、花粉放出量を予測
  • 気象シミュレーションによって風向、風速、湿度、降水量などを予測

 

以上のデータを使用して拡散方程式の数値解を求め、AIテクノロジーによって数値解の揺れや誤差を補正することによって、従来実現できなかった詳細かつ正確な花粉飛散予測を行います。

しかし、他社が行っている花粉飛散予報は

  • 通常都道府県単位
  • 気象庁が発表する短期予報(明日までの天気予報)および週間予報がベース

となっており、飛散開始後には

  • 雨が降れば飛散しない
  • 曇りもしくは晴れで気温が一定以上上昇し、強風の場合飛散する

といった条件を適用した定性的な予報になっています。
また、予報地域を細分化する場合もありますが、上記のロジックをそのまま使用する為、地域が狭いから精度が上がるというわけではありません。

当社の花粉飛散予報と他社の飛散予報は天気予報に例えれば、
「スパコンを使用した予報と下駄を投げる予報」
ほどに異なっています。

実際の予報表現でいえば

  • 東京都は明日非常に多い
  • 東京駅八重洲口前では明日午後2時頃 250個/m3のスギ花粉が飛散する

といった違いがあるのです。