スギ花粉が「飛んでいる」「飛んでない」と言いますが、空中に舞っているスギ花粉ってどんな形をしているのでしょうか?
ここでは、千葉大学大学院医学研究院の屋上で採取したスギ花粉の顕微鏡写真をご紹介します。

プレパラートについた花粉の様子

千葉大学の屋上で花粉を捕集したプレパラート
千葉大学の屋上で花粉を捕集したプレパラート

上の写真は2005年3月7日、スギ花粉が大量に飛散した日に撮影した花粉計測に使用したプレパラート(ガラス板)です。

千葉大学大学院医学研究院の屋上にプレパラートを2枚並べておいたのですが、黄色く見えるほど大量の花粉が付着しています。

大量飛散日には、こんなに多くの花粉がみなさんの周りの空気中を浮遊しているのですね。

(採取協力:千葉大学大学院医学研究院)

 

ダーラム法と呼ばれる花粉の計測では、このプレパラートに付着した花粉を着色し、顕微鏡で見て地道に数えていくのですが(計測方法については別途詳しく紹介します)、この日はカウントする人が腱鞘炎になりそうなほど、多くの花粉が飛んでいました。

 

スギ花粉は丸い形+突起がある

顕微鏡で見た花粉の様子1
顕微鏡で見た花粉の様子1
顕微鏡で見た花粉の様子2
顕微鏡で見た花粉の様子2

上写真は顕微鏡で見た花粉の様子です。

さらに拡大したものが下写真で、丸いところにところどころ突起が出ているのがわかります。

顕微鏡で見た花粉の様子(拡大)
顕微鏡で見た花粉の様子(拡大)

この突起の部分はパピラと言います。

パピラは乾湿に対する調整を行う場と考えられていて、乾燥しているときには突起部分は花粉内部へ陥没し、湿気の多い環境だと突起部分が突出するそうです1)

 

花粉の大きさは、約30㎛(1000分の1ミリ)です1)

人間の髪の毛の太さがだいたい直径1mmですから、髪の毛の太さの1/30ほどの大きさですね。

最近よく耳にするPM2.5が2.5 ㎛なので、PM2.5に比べれば花粉はだいぶ大きいです。

 

 

このスギ花粉が、私たちの鼻や目などに付着して破裂し、かゆみや鼻水・くしゃみのもとになる物質(抗原と言います)を出すことで、花粉症の症状が現れることになります。

(花粉が大量に飛散する時期には、本来花粉の外壁にくっついているはずの一部の抗原が空中を飛散することも、近年わかってきました2)。)

⇒くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどが起こる仕組みが気になる方は

 

 

花粉症の時期の花粉対策で最も大切なのは、花粉を避けることです。

マスク、メガネ、衣類、帰宅時に家に花粉を持ちこまないコツ・・・など花粉を避ける方法を確認しましょう!

 

⇒マスクをするだけじゃない!花粉対策の総まとめ

 

 

 

 

<参考文献>

  1. 山田義男ほか.スギの花粉壁およびタペート膜系の微細構造.日本花粉学会誌.1980,第25号,21,(参照2018-02-21).
  2. 増田 佐和子, 3.スギアレルゲンの免疫生物学とアレルギー疾患(IV.アレルゲンから見たアレルギー疾患,専門医のためのアレルギー学講座), アレルギー, 2008,57巻,8号,960-966,https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/57/8/57_KJ00005018660/_pdf/-char/ja,(参照2018-02-21).

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう